秋の贈りもの
金木犀が散ったと思ったら、柿が熟れ、小菊が咲き揃い、木々の梢が染まり始めた。
実りの秋の美しさは、格別だ。
天変地異をつぎつぎと起こして私たちを責め苛む一方で、自然はこんなにも優しい。
自然が持つこの二面性は、時間の経過によく似ている。
優しく過酷な時の流れのなかで、過酷で優しい自然に生かされている、私たち。
お店で無農薬の紅玉りんごを見つけて心が躍った。
りんごは一年中買えそうだが、紅玉が出回る期間は短い。
だから10月になると、青果店では真っ先にこれを探している。
せっかくの紅色を生かしたいので、皮ごとジャムにする。
オレンジがかったローズピンクの中に、
ほんのりした明るさがこもった不思議な色に煮上がる。
作り方を教えてくれた人は、「夕焼け色のジャム」と言っていたが、
「このジャムをトーストにのせて食べようと思うと、早く起きられる」
と子供たちが言うので、わが家では、「早起きジャム」。
by mofu903
| 2011-10-21 15:51
| 日常