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今年は、南南東

   明日は、立春。
 実際は、まだまだ寒い日が続くので、手紙の書き出しにも、
「立春は過ぎたものの」とか、
「春とは名ばかりの寒さで」とか綴ることになるのだが、
言霊の力とでも言おうか、
この日を境に、寒さにかじかんでいた心に、ほんのりと紅がさすような気がする。
安堵と期待の象徴のようでもある。

今年は、南南東_b0209810_13372248.jpg


テイクアウトのおすし屋さんの前で、お客が列をなしている。
売っているのは、そう、あれ。
関東でもすっかりメジャーになった巻きずし、「恵方巻」だ。
 
 春を迎えるというウキウキ感にもかかわらず、節分が今ひとつ地味な印象だったのは、
「食」の楽しみが薄かったからだと思う。

 イワシの丸干しや、歳の数だけ食べる炒り豆は、
わが国の伝統行事にまことにふさわしい食物だが、
雛祭りのあられや白酒、端午の節句のちまき・柏餅などと比べると、
いかんせん華やかさに欠ける。

「だから、十日後のバレンタインデーにもっていかれるんだ」と(たぶん)考えて、
販売促進に乗り出した海苔業界の読みは、見事に当たったようだ。
 十年前の認知度がおよそ50%(wikipedia)だったのに対して、
今や、知らない人はほとんどいないというまでに急成長した恵方巻。
 福を呼ぶには、その年の縁起のいい方角を向いて、一本丸ごと食べる。
この間、口をきいてはいけない。

 今年の恵方は南南東ということだが、
家族全員がいっせいに「まるかぶり」中の家に入るコソ泥

背後の死角を狙ってじりじりと近づき、金目のものを奪って一目散。
これって、成功率高いんじゃないかなぁ。


和菓子業界さんには、ぜひ「鬼は外郎(ういろう)」を。
商標登録の際は、ご一報くださいまし。
by mofu903 | 2011-02-03 13:45 | 季節