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アンドレ・ダーハン『カミラの夢』




この季節、あなたに宛てて手紙を書いたのは、ついこの間のことと思っていたのに、

もう2年もたっていたなんて。


今年の夏は、珍しく引き際を心得ていましたね。


9月に入るとすぐに気温が下がり始め、いきなり冷たくなった夜風には、とまどうほど。


この夏の潔さ、秋の精勤ぶりに、喝采をおくりたい気分です。


おかげで、忘れかけていた初秋の風情を、こころゆくまで楽しめたのですから。



9月の夕方。こんなに優しい時間がほかにあるでしょうか。


光と影がほどよい均衡を保ち、目に映るものはみな、しっとりと落ち着いています。


明るいまま暮れなずんでいく空は、ところどころに薄紅を載せた水色。


ちぎり絵の和紙のような雲がつつましく浮かんで……


この時季にしか見られない夕空。


夕焼けのない淡い空。



お隣の柿の実が、色づいてきました。


まだほとんどが、青白く潤んだ月のよう、

でも、そのうち幾つかは、既にトパーズの光沢を添わせています。


虫の声も、日が沈みきらないうちは控えめです。


ときどき、フィリリリリと高い声で鳴くのは、草雲雀。


チ、チ、チ…とかすかに鳴いているのは、鉦叩きでしょうか。


なぜかこの声を聞いていると、昔々、従姉が熱心に編んでいた、

薄紫と草色のリリアンが目に浮かびます。



光も風も、独特の雰囲気を持っているでしょう?


透明ではなく、曇ってもいず……

たとえば、学校の理科室にあった、プレパラート用のカバーガラス、

あのガラス越しに風景を見ているような、不思議な感覚が呼び起されます。



きっと、一週間もたたないうちに、金木犀の香りがあなたに届くことでしょう。


それとも、銀木犀のほうがお好みだったかしら^^


大気には陽が溶け込んでラメのきらめきを放ち、空は紺碧に澄み渡って、

季節は少しずつ華やかになっていきますね。



素敵な秋をお過ごしください。



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先日、おつきあいの長いブロ友さんに、4周年を祝うお言葉をいただき、

「えっ、そんなに続いてたっけ!?」と、びっくり。


教えていただくまで失念していた自分に、もっとびっくりでした。


途絶えがちな更新とはいえ、飽きっぽい私がここまで続けてこられたのは、

ひとえにご訪問くださる方々の応援のおかげです。


それがなければ、とっくに放り出していたはず。


本当に有難うございます。どうぞこれからも、よろしくお願いいたします。




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# by mofu903 | 2014-09-24 17:45 | 季節
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昨年決行したダイエットの結果は、4.3㎏減で、目標の-5㎏には及ばなかったが、

まずまずの成功を収めた。

更に、今春、ぎっくり腰で寝込んでいる間にもうひとまわり痩せて、全体にだいぶすっきりした。

おかげで、ウェスト部分がぐいぐい食い込んでいたワンピースもパンツも、らくらく入るようになり、

その点は願ったり叶ったりだったのだが、もっぱらくたびれたスエットで家の中をうろつくだけの

療養生活だったため、せっかくのよそいきの出番がなくて口惜しい思いをしたのだった。


腰のほうが一段落したとたん、今度は俄然食欲がでてきて、体重は、もと来た道を一目散に

駆け戻り始めた。

ドカ食いをしているわけではないが、PCの前に長く座っていると、つい口寂しくなって、

足が勝手に冷蔵庫に向く。

こういう時のために、ローカロリーアイス、こんにゃくゼリー、ゼロカロリーコーラのデカボトルを

待機させているのだが、冷蔵庫詣でが頻繁すぎて、切らしてしまうことも多い。


ちょっとでもカロリーの低そうな食品を求めて庫内をあさっているうちに、ふと、

(こんな姿を誰かに見られていたら…)という思いがよぎった。

気になって後方確認したが、誰もいない。真夜中だし、当然か。


さて、デスクに戻ってきてPCのスタートボタンに手を伸ばしかけたら、目の前のディスプレイに

ちくわをくわえたサルが映った。私はひとり赤面した。


この秋、セレモニーの予定があり、そこでみっともない姿をさらしたくない。

意を決して、再びダイエットに取り組むことにした。

今回の目標は-2㎏なので、なーに、一か月もあれば余裕で痩せるさ、と思っていたのだが、

目論見は大きく外れた。

びっくりするほど痩せないのだ。


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そのことに悶々としていたら、テレビショッピングのコーナーで、

とあるダイエット食品が紹介されているのが目に留まった。


「一食置き換えダイエット」の、水に溶かすタイプ。

この手の商品は何度も目にしていたが、今までまったく興味がなかった。値が張るからだ。

だいぶ前に、夫が「本気の」ダイエットに取り組もうとして、某有名ダイエット食を購入した。

これが高かった。確か、二か月分で7万ちょっとしたと思う。

案の定、夫の意志は挫け、マイ○ロダイエットは、ほぼ手つかずのまま、彼の机の下でひっそりと

高級品オーラを放っていたが、いつのまにか姿を消した。

闇に葬られたダイエット食界のセレブ――私は、夫のこの仕打ちに、悔し涙を禁じ得なかった。



そんな私が、今回いたく心を揺さぶられたのは、この製品が他社のものと比べ、グンとお安かったからだ。

普段の食事の半分もお金がかからない。

30種類の体に良さそうな素材入りだから、健康的に痩せられて、し―かーも、食費が浮く!

こんなにいいことはないと、ケチな私は飛びついたのだった。



そして、今、その粉末を規定量の水で溶いたモノを飲み下しているところだ。

娘が、「私も買おうかな?」と言うので、「あもほけ」と即答した。

(「やめとけ」と言いたかったのだが、口の中がペタついてペタついて)

CMでは、7人のモニター女性たちが、「うっそー、すごくおいしい!」「これはイケルわ~」などと

はしゃいでたっけ。思い出すだに恨めしい。

それに、こうも言ってたな。「腹持ちがいいから、おなかがすかないよね!」

みなさん、良くおっしゃいますな。私は、飲んだ直後にもうおなかがすいている。

というより、(こう、もっと、ほかにないのか?!)という感じなのだ。


そんなわけで、本来は「一日一食置き換え」るのだが、実行できたのは、

「一週間で二食の置き換え」のみ。




……いや、置き換えられてませんでした。

前回は、口直しに、焼きたてパンを食べ、ついでに炊飯器に残っていたご飯をちょっと食べ、あまつさえ、

お仏壇の栗まんにまで手を出してしまった。

今も特大マグを片手に、口直しは何にしようかと真剣に考えている。

すでに心は折れているが、私は、夫の轍は踏まない。買った以上はきちんと消費する。

多少なりとも人間の出来が違うのである。

しかし、「置き換え」は……できないだろうなぁ。





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腰を痛めてから、買い物をほとんどネットに頼っているうえに、お中元シーズンに入ったこともあって、

配達の人が頻々と訪れるようになった。

私が手を離せないときは、母が受け取ってくれるのだが、その際に、「ご苦労さまー」を

大盤振舞いするので、ちょっと困っている。

上から目線に聞こえないかと、気にしてのことだが、

(大おばばの言うことだし、先方さんも聞き流してくれるだろう)と思い直した。

いちいち母に苦言を呈すのも億劫だし、一度や二度言い聞かせたところで、どーせわかりゃしないのだし。



昭和の末ごろまではごく普通に使われていた「ご苦労様」は、近年、衰退の一途をたどっている。

今や、ビジネス界ではタブーとまで言われ、特に、上司や先輩に対して使ったら、

社会人失格のレッテルを張られてしまうというから、うっかりできない。


「ご苦労様」に代わって台頭してきたのが、「お疲れ様」だ。

すでに挨拶代わりに使われるほど、人口に膾炙しているが、私は、この挨拶代わりの「お疲れ様」が、

あまり好きではない。

仕事関係の電話を取ったとたん、「お疲れ様です!」と威勢よく言われると、

今風の挨拶とわかってはいても、己の根性の悪さが災いして、素直に受け入れることができない。

特に、思うように物事が進んでいないときは、

「ふん、どうせ私はよろよろのよぼよぼだよ。いいねぇ、若いもんは」とか、

「ほんとに労わってるおつもりかえ?」などと、憎まれ口の一つも言ってみたくなる。


「ご苦労様」も、「お疲れ様」も、接頭語+名詞+様であることに変わりないのに、

どうして「苦労」はダメで、「疲労」は良いのか。

「うむ、ご苦労であった」と、悪代官がふんぞり返っているシーンが、

われわれの脳に刷り込まれてしまったからだろうか。

あるいは、現代人がより多く背負っているのが、苦労ではなく、疲労だからか。


「ご苦労様」と構成が同じ言葉は結構ある。

「ご馳走様」「ご愁傷様」「お世話様」「お粗末様」「お気の毒様」などなど。


学生の頃、犬に追いかけられて転んだとかで、足を引きずっている先生に、友人が、

「カワイソウでしたね」と言って、逆鱗に触れた。

先生曰く、「ばかものっ!!そういう時は、『お気の毒様でした』と言うのだっ!!」

運悪く隣にいて、一緒くたに怒鳴りつけられた私も、この叱責を胸に刻んで今日まで来た。

とはいうものの、美川憲一さんのヒット曲『さそり座の女』の歌詞、

「♪おきのどっくっさ~ま~笑うがいいわ~」のように、皮肉とも受け取られかねないので、

この<様系>も、取り扱い注意である。

ごくたまに耳にする、「お御馳走様」もいただけないが、

このあいだは、メールで、「お有難う様~」と返され、目玉がポーンとなった。



もうだいぶ昔の話だが――

娘が、手作りの父の日カードを幼稚園から持ち帰ってきた。

「見ていいよ」と、得意そうに言うので、夫より一足先に見せてもらった。

開いてみると、

【ぱぱへ。ちちのひおめでとう】

と、クレヨンでたどたどしく書いてあった。

(おめでとう、って……ここは、「ありがとう」じゃないかね?)

多少の違和感を覚えつつも、ほほえましさに包まれてカードを閉じたら、裏面に、こう付け足されていた。


「あと、ごくろ」





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