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                       ルリビタキ  photo by tette



鳥類学者の話では、野鳥には、親伝来の歌唱法があるという。

彼らはその旋律を踏襲するために、また、それにオリジナルな改良を加えるために、

繁殖期でなくても、小声で孤独なレッスンを繰り返しているのだそうだ。

寒さやひもじさに耐えながら、自己の内面に照らして思索をめぐらし、

来たるべき季節のスターを夢見て、練習に余念がないとは。

なんていじらしいんだろう。



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                       キビタキ photo by tette
  




チュルリー・フィルルル・スピーチスピーチ・ピチョースピチョース・フィリチチチチチチ・・・・・・

オリジナリティにあふれたこの歌声を初めて聞いたときは、

「鳥界に天性のボーカリストがあらわれた!」と驚嘆した。

朗らかで、良く響き、生の喜びにあふれ、倦むことがない。


この声、二、三年前から、ときどき風に乗って聞こえてくることがあって、

そのたびに、「いったい、何という鳥?」と、気になっていた。

それが、今年は、三月ごろから盛んに聞こえるようになった。

それも毎日、しかも一日に何度も。

謎の鳥は、何を思ってか、うちのまわりから離れず、ひたすら自慢の歌声を響かせ続ける。

たまに止むときもあるので、「さては、歌い飽きたか!」と思えば、さにあらず、

グエッグエッとか、ケケケとか、地声でハミング(?)しているから、

ほとんど切れ目無しといっていいだろう。

声はいやでも耳に入ってくるが、正体は相変わらず不明だった。

あけっぴろげな声とはうらはらに、用心深い性格らしい。

声が聞こえたら、すぐにウォッチングできるように、窓辺に双眼鏡を用意して四日目、

ついにその姿をとらえた。


茶褐色の、ヒヨドリくらいの大きさで、目の周りに白い縁取りがあり、

それが目じりに向かって長く伸びている。

調べた結果、ガビチョウ(画眉鳥)という、中国からの外来種だと言うことが分かった。

さまざまな鳥の鳴き声をまねるのが大好きらしい。

(You Tube にガビチョウの動画を投稿した人によると、14種もの声まねをしていたとか!)

かの国では、この鳥の声の美しさを愛でる人が多く、日本にも輸入されたが、思ったほど人気が出ず、

もてあましたペット業者が、大量に野に放ってしまったという。


名前がわかって好奇心は満たされたが、今度は、この奔放すぎるさえずりが耳障りになってきた。

パソコンに集中している時に、隣家の梅の木(気に入っているらしい)で声を張り上げられると、

「はいはい、もう、わかったから!」と怒鳴り返したくなる。

すでに、おなかいっぱいである。

ここ数日は、「カカカカカカカ・・・・」と、ヒグラシゼミのまねまでしているようだ。





ガビチョウに、さんざん付き合わされた後では、ウグイスの声が、一段と奥ゆかしく聞こえる。

ほーーー・ほけきょ 

極薄の硝子がふるえるような繊細な「ほー」が、少しずつ細っていって、完全に消える寸前、

可憐な中にも、どこか愛嬌のある、「けきょ」が〆る。

暫く「間(ま)」があって、再び、遠くかすかな、ほー、ほけきょ。

この「間」が、ウグイスを聴く醍醐味ではないだろうか。

「間」は、楽曲で言えば、休符にあたる部分だが、決して記号では表せない。

この世ならぬ場所に流れている、不思議な時間である。



夜のホトトギスもまた、異界を垣間見せてくれる。

ついさっきも、虚空の闇を縫いとめるような声を残して、ホトトギスが渡っていった。

「ケキョキョッ!」と、鋭く哀切な一声。

しばらく耳を澄ませていたが、あとには雨夜のひそけさがあるばかりだ。



*******

ホトトギスの鳴き声は、「特許許可局!」とか、「てっぺんかけたか!(天辺欠けたか)」

と聞きなすのが、主流のようです。


ついでに、祖母に教えてもらった「聞きなし」を書いてみますね^^



一筆啓上仕り候(いっぴつけいじょうつかまつりそろ)…… ホオジロ

五郎助、奉公 …… フクロウ

長兵衛忠兵衛長忠兵衛 ……メジロ

ちょっと来い、ちょっと来い ……コジュケイ

*虫食って土食って渋―い …… ツバメ

*利取る利取る、日一分(りとるりとる、ひーいちぶ)…… ヒバリ



ツバメの鳴き声については、面白い昔話があります。

むかしむかし、ツバメとスズメは姉妹でした。

親が亡くなったという知らせが届いたとき、スズメは着の身着のままで駆けつけました。

いっぽう、ツバメは綺麗な着物に着替え、頬に紅までさして、おしゃれをしていきました。

それを知った天の神様は、大変お怒りになり、その結果として、親孝行のスズメは米を食べ、

親不孝者のツバメは、虫や土を食べることになったそうです。



ヒバリについても、こんなお話が。

昔、ヒバリは金貸しをしていました。お日様にも貸したのですが、返済の期限が来ても、なしのつぶて。

取り立てに行くたびに、お日様は雲に隠れたり、大雨を降らせたりして、うまくごまかしてしまいます。

そのため、ヒバリは一日に何度も空高くのぼっては、返済を迫るようになりました。

「利子を取るよ、一日に一分だよ」って。日ごとに膨れ上がる借金、

今では莫大な額になっていることでしょう。



コジュケイの、「ちょっと来い」は、ポピュラーですが、英語圏では、「People play!」

どちらにしても、「遊ぼうよ」って誘ってるのかな。

思わず返事をしたくなるような楽しい声、大好きです^^


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                       ウグイス  photo by tette





今回の写真は三枚とも、tetteさんからお借りしました。tetteさん、ありがとうございました<(_ _)>
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by mofu903 | 2015-06-15 09:06 | 動物