ガーデン・ジャングル
起き抜けに、「あること」を始めるのが最近の日課になっている。
ジョギングでもなく、
お弁当作りでもなく、
前夜からたまっている皿洗いでもなく、
それは、草むしり。
毎朝、新しい花が咲き出すこの季節、庭を一回りするのが楽しみなのだが、
その際、こちらも日増しに成長を速めている雑草に目が留まる。
なにも、この忙しい時間帯にやらなくても…と自分でも思うのだが、
やらないとどうにも落ち着かない。
いつも、「どれ、ちょっとだけ」と思って始めるのだが、つい熱中して、
気づけば小一時間経っている。
雑草にも毎年、ブームがあるようだ。
おととしは見かけによらず根が張るカタバミに手を焼かされ、
去年は、ネジバナだった。
これまた根が深くて、芝生に入り込まれると手が付けられなくなるから、
必死になってやっつけて満足していたら、なんと、生協のチラシに、
「ネジバナ、2ポット600円」
の文字を見つけてぶっとんだ。
ハァ~、地面にはいつくばって、200本以上は抜き捨てたよ。
生協さん、これって、おいくら万円ぶんかしら。
そして、今年のブームは、名前はわからないが、
ひょろひょろしてるくせに、種をいっぱいくっつけていて、見るからに危険そうなヤツ。
禍根を残すといけないので、かわいそうだけれど、
これも伸びてくるそばから退治させてもらった。
そして、GWの最終日。
ついに意を決して、雑草の無法地帯と化しているはずの裏庭に踏み込んだ。
案の定、そこは、ジャングル。
去年の暮れから一度も行かなかったので、無理もない。
オオモノがにょきにょきと乱立して、行く手を阻む。
ドクダミの根が這い、シダがわさわさと足元にからみつき、
風が吹くたびに何かの綿毛がぼわ~と飛んでくる。
こうなったら、無念無想。
草抜きマシーンと化し、抜いて、抜いて、抜きまくった。
忽然とあらわれたとしか思えない、太いヤツデも切り倒した。
途中で腰が痛くなって断念するまでに、抜いた草は45リットルのビニール袋ふたつ分になった。
いつも思うことだが、この収穫が野菜だったらなぁ。おひたしにできたらなぁ。
それでもって、こっちのワカメみたいにヌメったやつは、三杯酢で。
この、モッコウバラの足元のアイビーも、実に繁殖力が旺盛で、
ちょっと油断すると、植えマスから溢れ出してどこまでも進出してくる。
結婚当初、私がおしゃれなフローリストで買ったものだが、
初めはてのひらに載るほどの小さな鉢植えだった。
それが地面に下ろしたとたん、周囲を席巻する勢いで、のさばり始めた。
一抹の癒しを求めて買った可憐なアイビーちゃんが、
これほどの脅威になるとは誰が予測しただろうか。
この話を夫にしたら、「ペットは飼い主に似るっていうけど、植物も同じなんだな」ですと。
飼い主って、もしかして、私のことですかい?
というわけで、家で草むしりばかりしているので、
外を歩いていても、雑草が気になって仕方がない。
ここまでくると、もはや職業病に通じるものがある。
スーパーの駐車場や、ちょっとした空き地に雑草が生えていると
思わずフェンス越しに手が伸びそうになる。
それも草丈が高く(抜き甲斐がありそう)、地面が砂利(簡単に抜ける)だったりすると、
衝動を抑えるのに苦労する。
ゆうに1メートルはあるオオモノを、両手に掲げて叫びたい。
「獲ったどー!!!」
by mofu903
| 2012-05-08 13:29
| 日常