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年の瀬俳句 part2

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 築年数が増えるにしたがって、床暖房の効きが悪くなってきた。
ソファに座っていると、足元からそわそわと冷えて来る。
暖を求めて家の中をさすらっていたが、まだ冬は長い。

「ねえ、ねえ、久しぶりに電気ごたつを置こうよ」
ものぐさなウチの家族のこと、私のこの提案に二つ返事で乗って来るはずだったのに、
予想はあっさり裏切られた。

「こたつ回りが散らかるから」とか、
「こたつに入ると出るのが億劫になるから」とか、
妙にいい子ぶった理由をつけて、気乗りしないようす。

 日頃から、『整理整頓』や『精勤』という言葉とは程遠い輩がこんなことを言うなんて、
超自然的パワーに操られているとしか思えない。

だから独断で、いまどきの省スペースこたつをネット注文した。

 案の定、届いたその日から、夫も娘もすっかりこたつの常連さんになってしまった。

確かに、こたつ回りは散らかる。
一度入ったら、出られない。
その通り、その通り。

 しかし、家に一人の午後、こたつに入って遅いお昼を食べるのが、
目下のところ、私の至福の時間になっている。

 塩吹き昆布のお茶漬けが好きで、これだけで二膳、いや三膳は食べられそうだ。
あったかいごはんに、磯の香り高い肉厚の昆布をふたつ乗せ、お茶は出花を注ぐ。
(塩吹き昆布が小倉屋山本の「えびすめ」だったら言うことなし)

 しわ寄せが来ている仕事のことも、
年賀状(まだ)のことも、大掃除(たぶんスルー)のことも忘れて、
こたつに入ってひたすら昆布茶漬けを食べていられたらどんなに幸せだろう――
などと師走の二十九日に言っているのだから、「ろくな主婦ではない」との自覚はある。



 年末、忙しい皆さんが読んでくださるのに値する情報を提供すべきところ、
「こたつで茶漬け」もないものだが、これといった出来事もなく……

 そうそう、あれはおとといのことだったかしら、
季節外れのムクドリの住居争奪戦があった。
今年の春に書いたように、例のギャーギャー声に驚いてベランダに出ると、
目の前で二羽のムクドリがくんずほぐれつの真っ最中。
そのうち勢い余ってベランダに落ち、そのまま上になり下になりして闘い始めた。
洗濯物を干し終わったところなので、汚されてはかなわない。
「あのぅ……」と声をかけてみたが、二羽ともまるで無視。
それどころか、奥さんたち(ムクのね)に金切り声で威嚇され、あわてて家に引っ込んだ。

 それにしても、この時期に、ムクドリが営巣するとは思わなかった。
鳥も虫も植物の世界でも、これからますます季節はずれが多くなっていくのだろうか。


 住居といえば、この「ミドリちゃん」のおうちも快適そうでしょう?
写真中ほどの小さいミニトマトにご注目ください。

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私だったら、大好物のモンブランの家に住んでいるようなもの。うらやましい限りだ。

 十一月なかば、球根を植えるために、このミニトマトを抜いたのだが、
まだこういう青い実がちらほらなっていた。
そのまま捨てるのももったいないので収穫し、出窓で日に当てること四十日余り。
ついにここまで色づきました。
(味の方は…うう、残念……。)

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「年の瀬俳句」で、こんな辺境までお越しくださる方が少なからずおいでなので、
今年は<パート2>をやらかさせていただけたらと……
 (ええ、そうですね、すみません、すみません(汗)

  

  極寒のかけら潜める鍵の穴
  
  梅守りは花少なきを詫びにけり
  
  闇もなほ優し雛の間(ひいなのま)にあれば
  
  賜りしごとく総身に花吹雪
  
  一山の芽吹き瞬時も休まざる
  
  風もわれも行方は知らぬ青葉騒(あおばさい)
  
  剪定の腕を誉めしがただ寡黙
  
  朝顔に蔓の気儘を許しけり
  
  大道のピエロも仮寝秋暑し
  
  挨拶にまずは野分の逸れしこと
  
  行く秋や壊れしままの小鳥籠
  
  寒月や恋しき人のみな遠き




 さて、息子が任地から帰って来るようなので、そろそろ支度にかからなくては。

今年のご来訪・ご厚誼に、篤く、熱く、お礼を申し上げます。
どなたさまも、お健やかに御越年くださいますよう
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