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白黒つけないカフェ・オ・レ

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<ないものはない!>


たばこ専門店の入り口にある張り紙を見て、頭の中に二つの解釈が渦巻いた。

『当店には現在商品化されている煙草の全種が揃っています』というポジティブ説

あるいは、マニアックな銘柄にこだわる客が多くてキレた店主が、
『ないったら、ないんだ。よそに行ってくれ!』と、牽制しているというネガティブ説

 こういう、わかったようなわからないような言い回しには、たまにお目にかかる。

 時代はかなりさかのぼるが、
小学生のころ通っていた算数塾でのできごとは、今でもよく覚えている。

 苦手な特殊算のテストで、返ってきた答案はなんと、五問全部がバツ。

貧血を起こしかけた時、先生が、
「簡単な問題だったが、全問、出来なかった人は?」
クラスの三分の一が手を上げた。
(なーんだ、0点は私だけじゃなかったんだ!)
再び全身に暖かい血が巡り始めたのを感じながら手を下ろした矢先、
「えー、0点が一人いた。ジャレ、あとで先生の所に来なさい」

 先生の質問の真の意味は、もうおわかりでしょう。
まぎらわしいことこの上ない、と、
チビジャレ子は、自分の学力の低さを棚に上げて憤慨しまくったのだった。

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日本語は曖昧表現が多い言語である。

 会話していてよく聞くのが、
「~などと、思わないでもありません」のような二重否定。
「あくまで私見ですが」「一概には言えないのですが」のような前置き。

 特に、録音されたやり取りをきいていると、
「とか…」や「て言うか…」を連発する人や、
「~じゃないですかぁ」と、いちいち相手の同意を確認しながら話を進める人が目立つ。

 自分の主張を述べる前にまず、
相手の意向をうかがおうとする日本人特有の礼儀正しさのあらわれでもあるから、
一概には否定すべきではないのかもしれない。
しかし、
「吾輩は猫である」
「吾輩は寒がりなので、今日は出かけたくない」
のように、
つねにすっぱりと言いきることができたら爽快だろうなぁ…などと思わないでもありません。


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