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私を月まで連れてって

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 今日も今日とて、九月の半ば過ぎとも思えない厳しい残暑の一日だったが、
さすがに、空は日ごとに秋の色をおびてきている。

 
 空を眺めるのが好きなくせに、天体の運行という科学的な知識には、うとい。
いや、「うとい」などというなまやさしいものではなく、
世間に知れたら「非常識」のそしりをまぬかれないレベルだ。

 たとえば、不惑の四十に近づくまで、
満月は一カ月に二度ある」と漠然と思っていた。
満月=十五夜のイメージなので、三十日間に満月は二回。
 月の満ち欠けのうち、「欠け」の期間がすっとんでいる。
こんな間違いは小学生でもしない、ということが今ではわかるので、
 満月を見上げるたびに、「くぅ~~っ」と呻きたくなる。
せっかくのロマンチックな気分も台無しである。

 星がまたたくのは、「上空の大気が揺れているせいで、そう見えるのです」と、
ついこのあいだ天気予報士さんが言っていた。
私はそれまで、チカチカのまたたきが激しいのは、寿命が尽きかけている星なのだ、
と勝手に解釈していた。
 娘に言ったら、「蛍光灯じゃないんだから」と突っ込まれた。

 ブログだから打ち明けられるが、皆さんに面と向かっていうほどの勇気は、とてもない。
知りたがりのくせに、どうしてこういう基礎的な知識が無いのか。
たぶん、私が知りたいことは、本来どうでもいいことの部類に入るからなのかもしれない。
そして、脳のキャパが低いので、
一人前の大人なら当然知っていてしかるべきことを入れる余地がないのだろう。


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 話は変わるが、さっき、シンクに溜まった皿の山を前に考えていた。
今まで、自分が洗い上げたお皿の枚数について。
たぶん、これもどうでもいいことだろうが、一度考え出すと、気になってくる。
だって、気づくと、「あれ? 私ってば、またお皿を洗ってるし」というほど、
毎日の洗い物の量は多いのだ。
皆さんも、そう思われませんか?
 それとも、最近は食洗機を利用している方のほうが多いのかしら。

 皿洗いは好きではない(だから、溜まるのだが)。
個人的には、1.片付け、2.洗濯物たたみ、に続いて「したくない家事ランキング」の
堂々3位に入賞。
でも、これにはささやかな長所もある。
洗い物をしていると無心になるというか、心が解放されるというか、
つまり、皿洗いをしている時が一番、空想力(妄想力)がかきたてられるのだ。
水が持つ、なにがしかのオーラのせいだと思っている。

                      
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 さて、「洗った皿の数」に話をもどすと――
平均して(お皿限定で)一日に20枚洗ったとする。
たとえば、それを25年間の主婦人生でほぼ毎日続けてきたとする。
そうすると、どうなるか。

 電卓を手に、計算した結果、洗い上げたお皿の枚数は、182500枚!
さらに、お皿の直径が平均20センチとする。
私が今まで洗ったお皿をずらりと敷石のように並べたら、相当な距離になるだろう。
たどって行ったら、キッチンの窓から見えている、あの月に到達するかしら?

またまた、計算。

 36.5キロメートル。
電車でいえば、ほぼ山手線で一周する距離だ。駅の数なら、29駅分。

……納得がいかない。

 私の脳内に繰り広げられる光景によれば、月へと続くお皿の道を、
ぴょんぴょんと跳ねて行くコドモおばさんは、少なくとも大気圏を脱出しているはずなのに。

なーんだ。がっかり。

 せめて今夜は、懐かしのメロディ、「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」を聞きながら
寝ることにしましょ。


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by mofu903 | 2011-09-18 15:31 | 日常